2010年02月28日

昨日は、伊予松木家の家系図現物を手にとって見せていただきました。その和紙からして違う、まことに見事なものでした。やはり本物を観ると、自分の拙い筆にも確信が感ぜられ、有り難いものです。

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愛媛国縁起


おもしろきことも無き世をおもしろく・・


『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

「どうや、小僧、うぬら邪馬台の腐れどもが、わしに何を頼めた義理かい」
 鵜恭(うきょう)が決めつけた刹那、都祢那賀(つねなが)は
「きゃっ」
 と破顔(わら)って、ぱん、と手を打った。
「その通りだっ」
 と嬉しげに甲高く叫び、さも親しげに抱きつく仕草で両手を差し出した。
「何じゃい」
 こやつ、ただの狂(たぶ)れか・・、とでも想ったかどうか、ふと息が抜けたのが鵜恭の油断。
 都祢那賀、伸ばした両手で鵜恭の胸元を掴むや一気に引き寄せ、同時に身を乗り出して、鵜恭の鼻をめがけて頭突きした。
 都祢那賀の冑、鉢【頭を入れる所】は鉄で拵え、獣革で覆って星【鉄鋲】まで打っているから、たまるまい。
「ぎゃっ」
 鵜恭の鼻が砕け、たちまち多量の鮮血が溢れ出た。
「ほう、賊にも赤い血が流れておるのか」
「おっ・・おんどりゃぁぁ」
「戯(たわ)けめがぁ。遠海(えんかい)の顔に泥塗りおってえっ」
 都祢那賀は血相変えて大喝し、さらに
「遠海が親友とも呼ばわるからには、よほど肚の据わった男と想うていた俺の純真までも虚仮(こけ)にしおったっ、その罪っ、万死に値するものぞっ」
 と怒号しながら立ち上がり
「見送り無用だ」
 と眼を据えてきめつけ、殊更に大仰な仕草で、べっ、と床板に唾吐いては、踵を返して出口へ向かう。
 周囲に呆けたような賊どもには目もくれず
「どけい」
 と一喝、ついに出ていった。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 08:59 | Comment(0) | 邪馬台国物語

2010年02月27日

松木家に代々伝わる家系図を、じっさい見せていただきます。これ、すなわち僕の授かる生命の軌跡にもつながる一大事です。合掌

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愛媛国縁起


おもしろきことも無き世をおもしろく・・


『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

 案内されて船室に降りてきた都祢那賀(つねなが)を睨み上げて無言、腕組みも胡座も解かない。
 都祢那賀も無言、鵜恭(うきょう)の真正面に、どっかり、腰を据えて腕組みした。ちょっと小首を傾げているのが癖で、ぷっ、と頬を膨らませているのも、こうした沈黙の折節の癖である。

 陽光のとどかない船室には四隅に灯明が焚かれ、明るいが煙たくもあり、ひどく臭う。おそらくは搾っただけで濾過していない、下品の鯨油灯(げいゆとう)であったろう。

 そんな沈黙に飽いたものか、先に口を開いたのは鵜恭であった。
「他人の船に踏み込んで、うぬは、礼儀も知らんのかい」
 素性は浜漁師、今では海賊の頭領にまでなっている男である。気質は剛胆、しかも荒い。その巨躯は鋼のごとくに引き締まって潮灼けし、くつろげた懐からは、筋肉に盛り上がった分厚い胸板に剛毛が密生し、あたかも都祢那賀が纏う〈風呂猪〉のような生身であった。陽と潮で灼けた顔面は顎が張って頑丈、後ろに束ねた頭髪は白髪ほどに塩ふいている。しかも、剛毛にはね上がった太眉の下でぎらぎらと剥いた眼球と、並びのよい歯の白が鮮やかではあったが、大口から炎でも噴き出すかのごとき剣幕で、己の先祖の恨み話を吐き散らした。

 都祢那賀は目深(まぶか)に被った冑(かぶと)の眉庇(まなびさし)の下で、猛禽【鷲とか鷹などの肉食鳥】のような両眼を見開き、鵜恭と視線を合わせたまま黙している。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 00:57 | Comment(0) | 邪馬台国物語

2010年02月26日

はや、二月も虚しく終わろうとしています。ただただ自身が情けなく想われ、胸がしめつけられるような心地する昨今なら、生きる喜びもまた、消え入りそうな寂しさです。

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愛媛国縁起


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『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

「よく保ってくだされたなら、きっと解る時がまいります」
 宵襠(よいまち)は、しゅん、と鼻をすすり、泣きながら微笑した、という。
「若様は戦場に立つ御大将様として、つとめて臆しなされよ。臆する事、すなわち生命を慈しみ愛しむ事にござります。臆して泣き叫ぶかわりには、現世に棲む自身を捨てて生命を天に返し奉ると思い定めて智恵をめぐらせ、御大将様として成すべき事をなされませ」

(乳母様の、あの美しい御顔を、俺は決して忘れない。今も、よく覚えている・・。)

 波に揺れ、漕ぐたびに揺れて進む海面に溶けて、夕焼けの赤が濃さを増してゆくのである。すでに海賊船群は目前、船縁に居並ぶ男どもの、無精髭までがよく見えた。
 都祢那賀(つねなが)は微動だにせず
「すぐにすむ。船を着けて待っておれ」
 と、漕手に告げた。
云いつつ小船を擦り寄せた都祢那賀は、すわ海賊どもを睨み上げ、いきなり船腹を蹴りて大喝した。
「戯(たわ)けどもがっ、早うせいっ」
 乗り移るための縄梯子を降ろせ、と命じているのである。
所詮は賊の哀しさ、性根が粗野な上に下卑ている。まずは高貴な威圧が苦手ではあったろう。
「へへえっ」
 気圧された海賊の幾人かが身を乗り出すようにして応じ、都祢那賀は、すでに己の船であるかのごとく悠々と登って、朽ちた船縁に手を掛け、ひらり、身を入れた。
「都祢那賀であるっ」
「げっ」
 と後退して畏まったあたりは、やはり乏しい賊の性であろう。
「どいつぞっ」
 鵜恭(うきょう)とは・・。
「ええっ」
 海賊どもには、都祢那賀の短言が解らない。
都祢那賀は眼を据え、どすっ、と船板を踏み鳴らし
「鵜恭とは、どの面だっ」
 と怒号してやった。
「へへえっ」
 居合わせた賊、皆、思わず土下座してしまい、これで都祢那賀の勝ちである。

 とはいえ、さすがに鵜恭、これは荒者一群を束ねて大海を引き回している者であった。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 00:35 | Comment(0) | 邪馬台国物語

2010年02月25日

本日も小春日和が期待できそうなので、また現地取材など気どって散歩してみましょうか。もしかしたら、また新しい出会いがあるかも知れないから・・。

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愛媛国縁起


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『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

「されど若様、臆する心こそ、実は智勇の泉に通ずる近道にござりまする」
「撫子(かあさま=母様=なでしこ)も同じ事を云う。しからば吾は、臆する事も泣き叫ぶ事も恥とは思うておりませぬ。されど近頃では、困る時もある」
「御意。では臆したる時、すぐ智勇の泉に飛び込む秘法を教えてさしあげまする。宵襠(よいまち)を女神と想うて言霊を聴き入れ、よく保(たも)つや否(いな)や」
「よく保つ」
 これは神に誓い奉る時に、巫女と信者の間で交わす決まり文句であった。

「現世に生命を受けたるもの一切を衆生と申し、衆生は必ず死にまする。この、死、こそが衆生の最も臆する根源にて、ゆえに死、を覚悟したれば、もはや恐れるもの皆無なり」
「死、とは何ぞ」
 と問う都祢那賀(つねなが)を、宵襠は優しく抱きしめたものである。
「死とは、生命を授かりて棲みなした現世から消えて・・天に還る事と思し召せ。されど若様・・若様は、いずれ戦場に赴きて兵馬を率いるが運命なれば、ゆめ【決して】自他とも生命を軽んじてはなりませぬぞ。生命こそは一切衆生同等に、天より授かりし至宝にて、貴賎はもとより重軽上下の無いものにござりまする」
「ようわかりませぬ」
 とて見上げる都祢那賀の頬を、温いものが濡らした。彼が今生にて初めて見る、宵襠の涙であった。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 00:20 | Comment(0) | 邪馬台国物語

2010年02月24日

錆びついた剃刀などを、ただ研ぎあげるのが好きです。研いでいると、みょうに神経が集中して、しかも安らぐんです。研ぎ終えたそれを眺めるのも、なかなかいい気分です。

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愛媛国縁起


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『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

 かつて、宵襠(よいまち)が教えた事である。
都祢那賀(つねなが)は洋上、あらためて乳母様の匂いを思い出していた。

「臆する時こそは、生命の最も眩しく在る時にござります。堂々と泣き叫びなされませ」
 と宵襠は教えた。
「堂々と泣き叫ぶ事、これすなわち生命の真澄【ますみ=まことに澄み切っている事】の声に他なりませぬ。現世に生命を授かるものすべて、たとえば人間は皆、女性より産まれ出たる時、精魂こめて力の限りに泣き叫ぶものにございます。その泣声をして産声と称えるは、眩い生命の声を聴けたるを、何よりも有り難く感じるゆえにございます」
「されど乳母様、嘉汰耶(かたや=じいさま)や汰雅志嘉(たがしか=ととさま)などは吾が泣き叫ぶを、疎ましゅう蔑みまするぞ。吾とて臆して泣く時に、は、どうにも金玉のちぢまる心地にて、何やら情けのうなりまする」
「まあ」
 宵襠は驚いたように美眼を見開き、後は、くっく、笑いながら云うのである。
「それは、さぞかしお困りでしょうね」
「どれほど困るか、乳母様にはわかりますまい」
 都祢那賀は、ぷっ、と頬を膨らませた。ついに宵襠は噴き出し、床をたたいて笑った。
「それはその通り。宵襠は女性ゆえ、縮むところが在りませぬものね」
「笑いどころか」

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 00:18 | Comment(0) | 邪馬台国物語

2010年02月23日

昨日、今日と、すっかり春めいた感じの西条です。梅は咲いたか、桜はまだかいな・・、などと小唄を口ずさんだ先人たちの、その大らかな気分が、ふと心のうちによみがえるような、いい陽気です。合掌

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愛媛国縁起


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『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

 都祢那賀(つねなが)は、漕ぎ出した小船の水押【みおし=舳先、船首】に片足をかけ、胸を張って腕組みをし、やがて乗り込む鵜恭(うきょう)船を睨み据えている。
 近頃、異国の貿易船を積荷ごと襲奪したものであるという、それは海賊船群の中にあって一際大きく、洋上に威容を誇っていた。

「でかいのう」
 都祢那賀、思わず声を上げた。波上に高床の大部落が浮いて現出したような光景ではないかよ。されど、もっと驚いたのは、あいての海賊どもであったろう。
「あれは誰や」
「あの堂々ぶりじゃ、軽い【身分の低い】武者ではあるまいよ」
「おう、あの甲冑は、遠目にみても上物にちがいないど」
 などと、船上に雁首並べて肩を押し合いつつ密めき合っているのだった。

「都祢那賀様は、まるで海魔王のようやった」
 とは、後に鵜恭が遠海(えんかい)に語った言である。

 その海魔王、海賊船群に近づくにつれ、肚の底からこみ上げる恐怖を歯噛みしてこらえていた、という。
 この若者は、自身をよく知っている。実は憶病者であることを、である。それも幼い頃から、素直に知っていた。
 ゆえに、どうすればよいか、という心得も気魂の内に養うことができたのだ、という。その骨法(こつ)は、何とただ一つ・・

〈自身の死を想う事〉

であった。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 10:41 | Comment(0) | 邪馬台国物語

2010年02月22日

やはり日頃の運動不足とは、こわいものですね。一大法要の準備手伝いと、槍作法の本番にて、文字どおり、ヘトヘト、になりました。でも有り難かったです。合掌

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愛媛国縁起


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『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

「今宵は海賊どもと宴ぞ。荷駄隊に命じて馳走を仕度しておけ」
 地漁師が船を押して砂地をすべり、波に浮いた時には
「殊里(しゅり)っ」
 と叫んだ。
「はっ」
 殊里は脱兎のごとく駆け寄り、膝まで波に濡らしている。
「在所を見まわれ」
「恐れながら・・・陣中に女性は不吉とか」
「きゃっ。阿呆な事を」
 何しろ初陣にて神子(かみこ)を斬り捨てた男子である、都祢那賀(つねなが)には頓着も無し。
「さっ、されど鄙(ひな)びた浜村に、若様のお気に召します別嬪などはおりますまい」
 殊里にすれば、親父殿【覇津華雅(はつかが)のこと】こそが怖い。
「楼閣遊女とまでは望まぬわ。鄙にも稀な、という言もあるぞ。必ずゆけよ」
「承知」
 殊里は半ば自棄で叫んだ、とある。やれ、おかし、おかし・・。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 09:12 | Comment(2) | 邪馬台国物語

2010年02月21日

本日は、朝倉の満願寺にて槍作法を修行させていただきます。近隣在所や他府県からも多くの参拝者の方々に、少しなりとも喜んでいただけますよう、一所懸命につとめてまいります。合掌

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愛媛国縁起


おもしろきことも無き世をおもしろく・・


『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

「いずこへ」
 と問うた覇津華雅(はつかが)に微笑し、沖へ向かって軽く顎をしゃくった。
「これはまた、何を仰せらるるものかな。彼奴(きゃつ)ら、いまだ味方と決した族ではござらぬ」
 船に取り篭められ、弑されるやもわかりませぬぞよ・・。
「あり得ぬ」
 この若者は、相手の心を手にとって観たかのように、きっぱりと云う。
「何故をもって」
 覇津華雅は心配で、仕方もないらしい。
「その気なら」
 都祢那賀(つねなが)は冑を目深に被り
「とうに去っておるわ」
 と云いながら、もう背を向けて、砂地に歩みを進めているのである。砂地のむこう、波打際に揚げた小船に乗り込もうとしているのだった。
「若様」
 諸将が、わらわらと駆け追いて止めようとしたのを、鋭く振り返って気迫で圧し
「どいつもこいつもっ」
 と甲高く叫んだ後
「親にはぐれた狢子(むじなこ)のようにある」
 呵々(かか)大笑し、船に踏み入り、畏まっていた地漁師に
「やってくれ」
 と優しく促した。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 05:30 | Comment(0) | 邪馬台国物語

2010年02月20日

昨日には、おじいさんは山へ芝刈りに・・、という実体験を生まれて初めてしました。21日の満願寺法要のための、ちょっとした下準備でした。なるほど、おじいさんには、ちょうどいいほどの労働でした。合掌

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愛媛国縁起


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『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

「ええいっ、はがゆしっ」
 と臓揉みて苛立ち、思わず掻き取った一握の砂を、ぱっ、と地に叩きつけたのは遠海(えんかい)である。
「吾の力及ばずにての遅参、これあり」
 などと弁解しつつも・・

(来るのか来ぬのか、お主の肚はどっちじゃい、鵜恭(うきょう)・・)

 と、先刻より臓を揉んでいた。

 そんな遠海には頓着もさげに、都祢那賀(つねなが)は浜辺に床几をすえて本陣とし、諸将を相手に酒を食らっているのである。
殊里(しゅり)に遣いさせて浜人の子供らに捕らせた章魚のなますに、荷駄から出させた味噌をのせた物が肴という、楼閣慣れたこの若者にとっては質素な酒席であった。

「遠海、そう気を揉むな」
 見かねた覇津華雅(はつかが)が、優しく声をかけてやり盃をすすめている。
「いやさ覇津華雅様よ、わしゃあ、若様に申し開きのできぬわい」
「いらぬわ」
 都祢那賀は上機嫌で云い
「福でも食らえ」
 腰の巾着袋ごと落花生を渡してやり
「本日第一の手柄した褒美ぞ」
 と破顔した。遠海、泣き笑いの面であった、とある。

 都祢那賀は殻を一つ取り出し
「ほら、こうすれば上手く割れるぞ・・なっ」
 と、手ずから教えてやり
「食うてみろ。旨いものだ」
 と無邪気にすすめた後、ぐっ、と盃を干し、やおら立ち上がって
「陽の隠れぬ内にゆく」
 と云う。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 00:16 | Comment(0) | 邪馬台国物語

2010年02月19日

ARMS DOWN!!というキャンペーンを御存知ですか?!どうぞ、一度、パソコンか携帯で検索してみて下さい。僕は、敬愛もて御世話になっている若い僧侶から教えてもらいました。合掌

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愛媛国縁起


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『愛媛国縁起』
【乃麻埜(のおの) 『媛国攻陣始末記』を物語りて・・・】

 もっとも、地理的にいえば、海からの寄手(よせて)に脅威を覚えたのは蛙久蛇(あくた)、神之戸(かみのと)、磋威餓(さいが)の三国であったろうが、内陸に領地する蛇武芭(たむば)とて、蛙久蛇や神之戸が滅亡すれば同じ事である。遅かれ早かれ、大津波のごとき邪馬台国軍に国を丸呑みされるほかにないのだ。

「邪馬台は、海船兵まで飼うとったんか」
 四ヶ国ともに、潮風くらって陣を退いている。
この辺りの沿岸には広大な塩田が営まれており、それを耕す人々が集う村が点在しているのだが、そんな浜人【はまひと=漁師も含む】達は、戦が始まる前に皆、逃げ出していた。それが、四ヶ国軍の撤退とともに浜辺に帰ってきて塩梳鍬やら笊、土鍋や素焼皿などの道具を急いで回収し、またそそくさと何処へか消えた。

 もはや夕暮れて、海は朱と銀の色に染まりて、いまだ海賊船団は沖合いに集いて波に揺られたままにて、鵜恭(うきょう)が浜に上陸(あが)る気配もない。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 00:25 | Comment(0) | 邪馬台国物語