2010年06月02日

お寺参りして、気合い入れなおしてきました。が、あれやこれやと野暮用なども立て込み、ちょっとアップが追いつきません。合掌

ninki-blog-ranking-imgにほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へビジネスブログランキング
↑ブログランキングに参加しています。3つともクリックしていただけると元気100倍です揺れるハート

北新地物語

「先生、着てはる作務衣、毎日、クリーニング出してますのん?」
 どうにかショルダーバッグを説得して本と名刺入れをとり出して受けとっていただいたのち、すでに手際よく整えられていたグラスもて、またしても豪華絢爛にして華々しき乾杯をおえたのち、梓さんが問うている。
 山猿はといえば、すでに、あし田さんとクラブ吉川さんでいただいた酒にて、ますます気が大きくなっているらしい。

 エッ?
といったふうにして即答せず、わざわざ襟元を正してみせたりもしてから、さも嬉しそうに笑った。
「いやあ、この日のための、おろしたてなんですぅ」
「よう似合うてますね、じつは、わたしも会長さんから、先生は着物がお好きやって聞いたから、今晩は着付けてきたんですぅ」

(ひゃあぁぁ、やっぱし北新地の女の子ってすごいなぁ、いっぺんも会うたことない田舎モンのために、ここまでしてくれるんかぁ。いや、ホンマ、北新地のホステスさんと結婚した男は、めっちゃ幸せやろなあ・・、あぁ、それこそ毎日、こないしてぇ・・。)

 クラブ吉川にて合計3pものびてしまっている鼻の下が、さらに1pのびたことには、当然ながら気づいてもいない、ますます絶好調にアホ丸出しの山猿である。
「じつは、あたしもなんですよ、ホンマは滅多に着ないんですけど・・、ねえ、会長さん」
 澪さんも、ちょっと袖をひろげるようにして笑った。
「ああ、云うんやなかったなあ、れんちゃんだけでもタマゲたんやで。それが、まさか澪ちゃんまで着物やとはなあ。わしが何で岩室かよてるんか、れんちゃんも澪ちゃんも、よう知ってるクセに」
 会長は、さも残念そうに云いながら、ここでも自分スペシャルのカクテルを飲み、さすがに少しは酔い始めているらしい。
「先生、ホンマ、この子ぉらの生足は、そらもう、最高ですねんで。去年、僕が急病で死にかけた時にねぇ、この子ら、二人連れだって御見舞いに駆けつけてくれたんですわ、生足で。ホンマに、この子ぉらの生足パワーで、生き返ったようなもんですねん。せやから、この子ぉらの生足が、僕の生命の恩人っちゅうワケですわ」
「へえ、そうなんですかぁ、いやぁ、さっきの叔父さんのお話もやけど、さずが北新地って感じの、ええ話ですねえ」

 すると、いよいよ会長は上機嫌に云うのである。
「この子ぉら、真冬でも、僕が来るっちゅうたら生足でっせ。いやね、ホンマは、叔父貴の頃と違うて、いまの新地では生足禁止ですねんわ。そやのに、僕のために、お店の目ぇくらまして、生足フェチの僕にサービスしてくれよるんですわ。それが、今晩はサッパリや、すっかり先生にとられてしまいましたなあ」
「いや、いやぁ、とんでもない、おそれいりますぅ」
「ホンマ、口惜しいなあ、なんぼ僕でも、着物着てる子ぉの生足は触れませんわ。まあ、うちの叔父貴やったらやりかねんけど」
「いやぁ、なんぼなんでも、そこまでは・・」
「この子ぉら、いっつもはドレスやし、僕が来るとね、トイレで脱いできてくれますねんで」
「うわぁ・・、いや、その、何ちゅうたらええのか・・」
「もう、会長さん、先生、困ってはるやないですかぁ。あっ、そうそう、先生、わたし、先生のブログ、ちゃんと見てるんですよぉ」
「わたしもチェックいれてきましたよ、ブログのお写真は、髪ほどいてはるから、なんか、イメージと違うわあ」
「わたし、云わんとこ思うてたけど、梓ちゃんや澪ちゃんに負けんように云うとこ。先生、わたしも、しっかり見せてもろぉてますぅ。毎日、毎日、よう、あんだけ書けますねえ、さすがやわ」

(よっしゃっ!決めたっ!ワイの嫁は北新地のホステスさんに決定っ!)

 北新地の女性たちは、たとえば山猿の故郷にそびえて西日本最高峰を誇る石鎚山の頂上の、ここがホンマのテッペンなんやでぇ、という孤高の絶壁に咲く、まこと命懸けでも手のとどかない高嶺の花であることを、もはや忘れきってしまっている、まったく脳天気ヤロウな山猿であった。

 そんな山猿の思い上がったカン違いに気づいたのであろうか。山猿のおかわりをこしらえてくれた梓さんは、またもや山猿が驚嘆するようなことを、さらり、平然として云うのである。
「わたし、こんなふうに着物着てるけど、ほんまはハーフなんですぅ、どうですか、先生の目ぇからみて、似合うてますかぁ」
「はいっ、そらもうっ、似合いすぎるほどバッチリですわっ」
 むろん本心である、れんさん、澪さん、梓さん、みんな、それぞれ個性的に、しかも、ピシィッ!と着こなしていた。

「先生、吉川の桔梗ちゃんもそうやったけど、この梓ちゃんも、四カ国語ペラペラなんですわ、なあ。なかでも、とくに耳元で中国語しゃべってもぉたら、もう、ウットリしまっせ」
「へえぇぇっ、そうなんやあ〜」

(お願いやからワイの耳元でオ〜アイニ〜てささやいてちょうだいかぁ・・。)

 よっぽど云いたかったのだけれど、いくらなんでも、そこまでの勇気は無い山猿であった。

(あ〜、もうタマラんわいっ、こないな別嬪さんに、そないなことされたら、ぜったい、あないなことになってしまうでぇぇぇっ。)

「ねえ、会長さん、あのクイズ出して、まだ、梓ちゃん、知らへんはずよ。ほら、野菜さんチームと果物さんチームの野球のヤツゥ」
「おっ、そうかあ、ほな、やったろ。ええかぁ、梓ちゃん、よぉ聞きやぁ、野球の試合でな、野菜さんチームと果物さんチームが対戦してん。ほんでな・・」

ninki-blog-ranking-imgにほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へビジネスブログランキング
↑ブログランキングに参加しています。3つともクリックしていただけると元気100倍です揺れるハート

posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 22:56 | Comment(0) | 実録 華も実もある北新地物語

いまから、ちょっとお寺さんお参りして、はやる気持ちを静めてきます。なんせ、北新地のことをよく知らないクセに、はよ書きたくて、書きたくてしようがないんです。合掌

ninki-blog-ranking-imgにほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へビジネスブログランキング
↑ブログランキングに参加しています。3つともクリックしていただけると元気100倍です揺れるハート

北新地物語

           三

 その別天地への入口は、さも妖しげにして艶めいた銀色にかがやくエレベーターであった。
云わでものことだが、いまだ桃色観音さんは、しっかり山猿と腕を組んでくださっている。

 おお、おお、分かったわいっ!ほて、どないな観音さんやねんっ!!・・、うーん、じゃあ、ちょっとだけ紹介しようか。

(ベストショットの小雪×Vシネマで大活躍する大場久美子)−推定年齢8

では不充分なのであり・・、この答えにぃ、さらに

(絶頂期のかたせ梨乃×甦る金狼の時の風吹ジュン)−推定年齢7

をプラスして求められた答えにやねぇ・・・

「先生、エレベーター来ましたで」
「五階で降りたらお店ですし、ずうっと腕組んでてくださいね」
「えっ、はいっ、ありがとうございますぅぅ」
 いざ乗り込んだエレベーターは・・、そのまんま美しい映画のワンシーン撮れまっせえぇ、というようにオシャレなライティングで山猿を照らし、しかも、ピッタリ寄り添うてくれてはる、れん【恋愛の恋やてぇ】さんから匂い立つ媚薬みたいな甘い香りが、否が応でも山猿を桃源郷へと優しくいざなうばかりであった。

(アァ〜、いっそこのまんまでエレベータ止まれへんかなあ・・、まあ、会長さんも乗ってはるんはご愛敬としてぇ、れんさんと、こないして腕組んだまま、ずう〜っとおれるもんなぁぁ。)

 むろん、このエレベーターは、たとえば山猿が故郷で長く住んでいたマンションの、できるだけ使わずに階段あがったほうがええし、とか、乗ってるあいだは息とめとこっ、とか思っていたようなシロモノではなく、スムースかつノンストップかつナイスな感じで五階についた。

 いざ降りれば、そこが広い店内であり、右にいっても左にも、これまた豪華な客席が並んでいる。
「いらっしゃいませっ」
 きょーつけぇ、した黒服の兄ちゃんたちが深々と一礼しながら出迎えるなかを、ここも僕の家ですねんわ、とでも云うように会長は、ゆったりとして早い足をすすめてゆく。

 ちなみに、真新しい雪駄の鼻緒によって擦りむけた、まるで赤ちゃんのお尻のような肌ざわりなる山猿の足のことである。が、こいつ、その痛みなんぞ、とっくにクラブ吉川にて忘れきっているのだった。

「まあ、先生、また上座に腰おろしとくなはれや」
「はい、先生、どうぞ」
 そんなふうに山猿が案内されたのは、エレベーターから左の、これまた最も奥まった特等席である。
 れんさんが会長の横へ、そして、これまた・・、いまから撮影本番ですねやわぁ、って感じの別嬪さんが、しかも二人もっ!さらりと上品な着物姿で近寄ってくるではないか。

 くり返し云う、が、つねづね冷静沈着である山猿が最たる弱点の一つは、美しく可愛らしい女性の着物姿なのである。
「菅先生、初めましてぇ、澪【れい】ですう」
「初めまして、梓【あずさ】いいますぅ」
「どうもっ、菅と申しますっ、宜しくお願いいたしますっ」
 なかば軽い腰を浮かせては、あたふた、と名刺を出そうとするのだが、やはり真新しいくせにズタボロにしか見えないショルダーバッグは、なるほど、ユーズド仕様ミリタリーデザイン、というだけあって、やたらとチャックが多く、どれを開ければ名刺やら本やらが出てくるんだか、さっぱり分からない。

(んもうっ、オシャレや思うて買うたけどっ、放り捨てたろかしらんっ、この役立たずうっ。ホンマ、ええ加減にしとかなっ、なんぼワイかていつまででも笑うとりゃせんでえっ・・。いや、エラそうに云うてスマンかったっ、頼むっ、お願いっ、ぜえったい捨てたりせんから、はよっ、はよう名刺と本を出してくれぇ。)

「えーと、ホンマ、今日はすっかり会長さんに御世話になってしもてぇ・・、あのっ、ホンマに、皆さん・・、よう着物が似合うてますねえ。やっぱ、趣味とかいうたら・・、お茶やらお花ですかぁ」
 まったく本と名刺をとり出すだけで、髪の毛が十本くらいは抜け落ちてるんじゃあありませんかぁ、というほどの一苦労なのだった。

(まったくぅ、こんなことしてたら、それこそ今晩のアフターって頃には、頭のどっかに十円ハゲができるかも知れないぜぇ。)

 ふと、そんな心配もしてしまう、だけど、ちょっぴり憎めない、どっかオチャメで、純心無垢なる山猿なのである・・。

ninki-blog-ranking-imgにほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へビジネスブログランキング
↑ブログランキングに参加しています。3つともクリックしていただけると元気100倍です揺れるハート


posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 13:27 | Comment(0) | 実録 華も実もある北新地物語