2010年06月08日

いやはや、月初めからバタバタしどおしで、暫く、アップのための筆が止まってました。心待ちにしてくれてた皆さん、ごめんなさいね。って云いながら、また数日とどこおりそうな今日この頃です。合掌

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北新地物語

「初めまして、会長さん、先生、紗理奈ですぅ」
「おお、ええ子やな、まあ、一杯やりぃな」
「はぁい、いただきますぅ」
 いや、決して誤解してはいけない。
なにしろ、ここは北新地なのである。底抜けにアッケラカンとした紗理奈さんには、少しとていやらしさなど感じられず、むしろ、ついつい下卑たことを想ってしまった山猿のほうが、恥ずかしさを覚えるほどの見事であったあたりに、まこと北新地に屈指の超一流高級クラブの品位を思い知るべきであったろう。

 むろん、北新地を知り尽くしている会長なら、当然の心得でもあるらしく、すでに触っている手に、ためらいすらも無い。
「ほう、こりゃ、たまげたわ、ええ生足やなあ。先生、僕は生足フェチやって云うたでしょ。こうやって、触ってるとねえ、ホンマに心の底から癒されるんですわ。明日の活力っちゅうもんが、こう、フツフツと湧き上がってくるんですわ。いや、先生、ヘンなふうに誤解せんといて下さいよ。いやらしい意味での、おさわり、とは違いますねん。ホンマ、僕の活力の源ってやつですわ」
「・・はあ、まあ・・、そうなんでしょうねぇ」
「ほら、先生も触ってみなはれ、僕の云うてることが、よう分かってくれると思いますよ」
「はい、どうぞ、先生、御遠慮なくぅ」
 にっこり、微笑みながら紗理奈さんは席を立ち、おフランスで特注したような絶品の生足を、山猿の眼前にさらした。
「えっ、あっ、いやっ、僕はっ、そのっ、いやいや、そういうことはっ、とんでもないですっ、ほんとっ、有り難うございますっ、そやけどっ、そのっ、けっこうですっ、いやっ、もったいなくてっ」
 本当である、山猿は、ほんとに指一本とて触れていないのである。じっさい、紗理奈さんの、あまりの屈託なさが、いっそ恐れおおいくらいに堂々として、山猿を圧倒しつくしていたに違いない。
 したがって、つい手をのばしていたなら、ただただスケベ丸出しにだらしない山猿であったはずで・・、ようは山猿危機一髪の瞬間でもあったろう。

(エラいぞおっ、山猿ぅっ、ようガマンしたあっ、また一つ北新地のカベを乗り越えたのうっ、しゃあけどなぁ、まだまだ油断禁物やでえぇっ、なんせ、お前の本性は、ただのスケベやからなあぁ。)

 ええい、そんなん分かっとるわい!

とて山猿は、さも平然としたふうをよそおっては、また一杯飲んだ。
 ここまで飲めば、かなり酔ってしまっただろなあ・・、などと思うのは、すなわち北新地を知らない人々のカン違い、というよりも、まるでステキな映画の豪華女優陣の真っ直中にいる山猿の、まことの心情を、まるで分かっとらんぞぉ。

(酔うてたまるかいっ、こないな別嬪さんばっかりに囲まれて、酔うてまうなんてもったいないことっ、ぜったいっ、せんぞっ。いやあ、あの時は飲み過ぎてもぉて、よう覚えとらんのですわ、はは、すんませぇん・・、みたいなことには、たとえ死んでもっ、してたまるかいっ。この子も、あの子も、その子も、みぃんな覚えとくぞおぉぉっ、もう生きて二度とは会えへんのやもんねぇぇっ。ここは、まさに現世の極楽やぁぁっ、これがホンマの冥土の土産っちゅうもんやあぁぁぁぁっ。)

「先生、ほら、先生」
「えっ?!」
「写真ですがな、みな、先生といっしょに写りたいっちゅうて」
 などと会長は自らの携帯を構えており、わたしからねぇぇ、とて梓さんが寄り添ってくれていることにも気づかなかったのは、先のことを思い込んでいるがための、うっかり、ってヤツであり、本当に山猿は、酒に酔っているのではなく、北新地にこそ酔い尽くして、もうデレデレ、いや、ヘロヘロなのだった。

「いやあ、ホンマ、気に入ったで、紗理奈ちゃんの生足も絶品や。さすが、れんちゃんが気ぃきかして送り込んできただけあるわ。なあ、紗理奈ちゃん、君は、れんちゃんの秘密兵器、最終兵器っちゅうやっちゃな」
「はい、わたしはテポドンです」

 さらっ、と云い切り、ニコッ、と笑った紗理奈さんの別嬪ぶりを知りたい貴方は、どうぞ、この続きをお楽しみに・・。
 などと、さも山猿が思わせぶりなのは、さて、いったいぜんたい、どうしてでしょうか?!
 その答えを知りたい君も、つぎのアップを乞う御期待なのである。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 22:12 | Comment(0) | 実録 華も実もある北新地物語