2009年06月05日

大好評につきアンコール連載もお楽しみに!!

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愛媛国縁起

あとがき2

 この『愛媛国縁起』原本の最後には、多少の続きがある。
都祢那賀(つねなが)と愛姫が結ばれた後、二人は仲睦まじく年月を重ねた。都祢那賀を恐れるあまり、他国どもは一切の争い事を仕掛けてこず、また媛国から仕掛ける事もなかった、という。

 二人は威容と慈愛とをもって媛国を再興し、やがて先に浮世を去ったのは都祢那賀である。彼の遺骸は愛によって祈祷されてから、伊志都知【いしづち=現在の石鎚山】の頂に手厚く葬られた。
 その半年の後に、愛も眠るように逝き、彼のそばへ葬られたのだが、その葬儀を司った巫女が云う。
「不思議なるかな、都祢那賀様の遺骸は腐敗するどころか、若き頃の姿へと還っておられまいたのよ。それも、まるで眠っておるがごとき様相でした。愛様も必ずや同じように成られましてなあ、黄泉で再び契られましょうぞ。お二人の幸福は永久なれば、この媛国も永久に威容と慈愛に溢れましょうぞ」

 ところが愛が葬られた後には、女性が伊志都知の聖域に足を踏み入れると必ず、天地が荒れて民人の暮らしを脅かした、というのである。
「これはきっと、愛姫様が妬心をおこされるからに違いない」
 民人は、そんなふうに噂し合い、以後この霊山は絶対女人禁制を守り続けたものである。
 しかしながら、こうした女禁の理由は、まったく別なところに求められねばなるまい。なぜ・・、と問われたならば、愛姫が〈嫉妬心〉を持つような狭い了見の女性でなかった事は、仇とも憎んでよいはずの都祢那賀を許し、かつ二人の契りは真坐阿の棲む大海よりも深く、神々が暫し憩いおわしますともいう蒼天よりもはるかに高く、ガネーシャの説く十万億土ほどにも広かろう、と想われてならないからである。

 ともあれ、今は真冬。かの石鎚の高みに降り積もる雪なら、きっと下界よりも清らかで真白い、まさに都祢那賀と愛の、ついには真澄の心にも似た純白なのであろう・・・。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 14:17 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年06月04日

石鎚山においでませ・・、心が落ち着きますよ。

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愛媛国縁起

あとがき 一

 龍顕(りゅうけん)和尚は、まず『愛媛国縁起』原本の、丹念なる筆写から始められた。
「乃麻埜(のおの)ちゅうやつは、漢字を独学で覚えたんじゃねや。えらい悪筆の癖字じゃわい」
 本堂改修がおわり盛大なる落慶法要を営んだ年の冬の日には、客殿のこたつで差し向かい、晩酌のお相伴にあずかりながら原本や資料を広げて、さまざまの話をいただいた。
 もちろん、物語の内容にふれる事が多かったが、神道や真言密教について、時には日本の現状や地球全体の問題、はては大宇宙の事にまで弾んで更けゆく夜を楽しませてもらったものである。
 ふと、和尚が呟くほどの声で云った・・。
「浮世ちゅう世界はの、人間の世界じゃ。誰ぞが、在る、と想えば在り、皆が、無い、と想えば無い世界よ。その浮世を大宇宙と思うてもええ。その大宇宙を、こんなふうに」
 と、和尚は盃を手のひらにのせ
「眺められる者がおる」
「・・神仏ですね」
 僕は、少し遠慮がちに云ってみた。
「ほうじゃ、この世は空よ、色即是空、空即是色ちゅうてのう。おもしろいもんじゃわい」
 そんなふうに春がきて夏がすぎ、紅葉の落ち葉が広い境内を埋めて・・・この古く長い物語を曲形にも何とか読み解いたあの日なら、石鎚の山懐は真白き雪の季節だったのである・・。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 15:18 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年06月03日

愛媛国縁起とりあえず完結ってとこかな・・。

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愛媛国縁起

泡沫(うたかた)
       九
「つっ・・都祢那賀(つねなが)様・・痛い」
 か細い声であった。
「せめて消えゆく、その時までを・・力の限りに煌めいて、決して離れまいぞ」
 愛は、都祢那賀の胸に頬を寄せ、一度、しかし、確かに頷いて、しがみつく手に力を込めた。そうして再び眼を瞑れば、もう、愛には自分を抱き締めている男が、都祢那賀なのか、あるいはガネーシャなのかすら解らない・・・、と想うのである。
 閉じた膝の付根が疼き、何とも云えぬ心地よさで酔いが体内を満たしてゆく。

(これこそが夢幻かも知れませぬ)

 とも思うた、というのだった。

 都祢那賀の胸に抱かれて空を飛び、やがて海の中でたゆたい、それもまた、大きな一泡の内に包まれて在る、と云うではないか・・。しかし肌を通して伝わってくる温もりと感触と、高鳴る己の鼓動とはわずかにずれて響く鼓動の、この確かさは、どうであろう。

(もう、どちらでもかまいませぬ)

 そう思い定めた、ともある。
その頃には白い砂地が広がる深い海の底で、眼を瞑っていても眩いほどの、純白と金色の光の内であった、という・・。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 11:08 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年06月02日

戦国歴史小説おすすめランキングには大谷吉継と本多平八郎よね。

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愛媛国縁起

泡沫(うたかた)
         八
 しかし、不思議なるかな、迦楼羅(かるら)の周り一尺ほどを余して海水を寄せつけず、漆黒にたゆたう海底の方にも金色の光が透明な織物のごとくに差し込んで明るい。
 見上げれば、おびただしい泡沫が濃い黒と金色に揺れる水面へと立ち昇ってゆくのである。
「わぁ、綺麗」
 愛は、まるで子供みたいな歓声を上げて見とれた。
都祢那賀(つねなが)も愛を抱き寄せたまま、それを見上げては
「あの泡沫の一泡ごとが、まさに俺ら、この世に生きとし生きるものの軌跡だな」
 と、珍しくも詩情をたたえて呟いた。
「えっ」
「まこと、浮世とは泡沫よ。俺も・・そちもな」
「・・はい」
「さほど楽しくも、おもしろき事もないが・・」

(この言霊を飛ばすのは、はて、ガネーシャ様・・、それとも・・・。)

「この泡沫ども、ただ、ひたすらに美しいばかりだ」
「御意」
 愛は眼を瞑って、彼の胸に頬を寄せた。
「ふん。おもしろき事もなき世をおもしろく・・かよ」
「・・・棲みなすものは心なりけり」
 と、さすがに愛は、つつましく受けている。
「きゃっ」
 都祢那賀は甲高く一声笑ってから
「おもしろいのう」
 と呟き
「やがては消ゆる泡沫なれど、せめて、それまで・・」
 都祢那賀は愛を見つめて、力いっぱいに抱き締めた。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 16:59 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年06月01日

戦国武将なら大谷吉継と本多平八郎からですね。

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愛媛国縁起

泡沫(うたかた)
       七
 迦楼羅(かるら)の背から下界を眺むれば、石鎚の山裾と内海の狭間には、媛国で産まれ育った愛でさえも知らない平野が、ちょうど開いた扇のごとくに広がっているではないか。
おそらくは、媛が身悶えして仰け反った時、ついに海底が隆起したものに、殊里(しゅり)らを呑み込みつつ石鎚より流れくだった土石が堆積してできた、まったく新しき平野であったろう。
「うぬらの良縁成就と、うぬらの子々孫々へのな、あれは、真坐阿(まざあ)様よりの引出物ぞ」

 真神とはのう、人の云う善悪も知らずして是非も無し。破壊に容赦をせぬかわりにはな、まったく数千年の計をもって青人草どもを愛でておるのぞ・・。

「まさに有り難し」
 と、都祢那賀(つねなが)は合掌しつつ一礼した。
 母なる大地が、未来永劫、さらに豊饒の恵みをもたらしてくれるであろう・・。
「かの母なる大地の子らぞ、われらは」
 かつて明日香野の本陣にて云い放った言ノ葉を、都祢那賀は愛にも告げている。
「御意」
 愛にも、他意などは無い。

 迦楼羅は、その大翼で心地よく風をきり、やがて、都祢那賀達の眼下に海が広がった。
「迦楼羅、結界を張ったぞ。このまま海に入るがよい」
「ハッ」
 迦楼羅はゆったりと旋回しつつ降りてゆき、夕陽の色に染まる金色の海面をかすめてから、静かに身を沈めていった。
身を竦めた愛を抱き寄せた都祢那賀は、こちらもさすがに心配げである。
「大丈夫だ、息もできる」
 ガネーシャは哄笑し、すぐにすべてが海中に没した。











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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 11:40 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年05月31日

邪馬台国の物語・・いよいよ大詰めだね。

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愛媛国縁起

泡沫(うたかた)
        六
「さて、頃もよし。参ろうか」
「はっ」
 まずは機敏に都祢那賀(つねなが)が応じ、愛が
「はい」
 と和した。
「後の者。見送りなど無用だ。新しき媛国の門出ぞ。そのまま飲んで祝うておれ」
 ガネーシャは覇津華雅(はつかが)や楓(かえで)達に申し渡し、都祢那賀と愛だけを従えて外へ出た。

 見上げる空は淡い青をわずかに残して鮮やかな橙色と赤を混ぜ合わせ、暮れなずんで薄雲を染めている。いかにも極楽浄土を想わせる、そんな天空なのである。
「迦楼羅(かるら)っ、こよっ」
 迦楼羅の傷は癒えていた。
ガネーシャと二人を乗せた迦楼羅は、ゆったりと翼を一振り扇いで空に舞い上がった。
 目指すは、わざわざ真坐阿が寄せて鎮まる瀬戸内海であろう。
「真坐阿(まざあ)様とは、内海におわしますのか」
 都祢那賀が愛に尋ね、不意を問われた愛は、不可思議げに小首を傾げて応じた。
「媛と愛を案じてな、華氏真志(かしまし)達を伴うて、はるかなる大海より媛ノ浜沖まで寄せておられるのよ」
 と、愛にかわってガネーシャが教えたものである。
「まあっ、有り難しっ」
 愛は無邪気に喜び、かたわらの都祢那賀は、さらに問う。
「いったい、どのような大真神様におわしますのぞ」
「はい。大白鯨神様におわします。天地が生まれたばかりのいにしえに海の底を圧し上げなされて陸を創りたもうた大神様にて、この伊予は二名島なども、真坐阿様がお創りになられたものにございます」
 こちらは愛が知り尽くしていよう、嬉々として応えた。
「ほう」
 そんな話を乗せ、迦楼羅は、つとめてゆっくりと飛んでいる・・。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 15:07 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年05月30日

歴史小説おすすめランキングってか、日本古代史には邪馬台国の物語だね。

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愛媛国縁起

泡沫(うたかた)
      五
「ガネーシャ様っ」
 愛が床を叩いたのと、都祢那賀(つねなが)が愛の細い肩を抱き寄せたのとが同時であった。
「あっ」
「それも一興。されど」
 都祢那賀は、愛の細肩を抱く手に力を込め・・
「まずは酒と」
「と・・」
 ガネーシャは、わくわく、と身を乗り出して訊いた。
「その真坐阿様なる大神様に御挨拶するが先でしょうな、・・これの」
 と、わずかにあがらう愛の黒髪に口をつけてから
「大切な大神様の、一柱におわします、と察する」
 そう云って身体をひねり、両手でさらに抱き寄せて、ふと小首を傾げて愛を見つめ、ふっ、と笑みを浮かべたか、と思いきや、ゆっくりと顔を近づけ口吸いした。
いかにも堂々として清々しくもあり、固唾をのんで見守る一同、・・・声もない。
もはや愛も逆らわず、それを受けつつ眼を閉じた。

 その閉じた眼から温かい涙が溢れ出し、二人の重なる口許を濡らした時、都祢那賀は舌で拭ってから離し・・
「もう泣くな。そちには笑顔こそが似合う」
 などと云うのである。
「・・はい。もう・・もう泣きませぬ」
 愛は、泣きながら微笑んだ。
「ほう、ほう」
 ガネーシャは手酌で盃を干してから、奇妙な声を出した。
「いやはや、これは」
 と天井を仰ぎ見て・・
「さても似合いの夫婦だわいっ、のう、みなっ」
 おそらく、はるか天空のに憩う主神々の御霊に叫び上げたものであろう。
 その後、暫く酒宴が続いている。覇津華雅(はつかが)も、さも慣れぬ手つきで楓(かえで)に酌してやった。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 11:40 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年05月29日

三三九度(さんさんくど)の原型を観る・・。

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愛媛国縁起

泡沫(うたかた)
      四
 都祢那賀(つねなが)は頓着もせず、これも片手で、肘を張り高々と盃を傾けて、ぐいっと一息に呑み干してしまったものであった。
「契りの酒とは」
 そう云って盃を愛に渡し、かつ片手で御神酒の入った酒壷を取り上げ・・
「旨いものだな」
 と、微笑しつつ注いでやった。
愛は畏まって両手で受け、護摩火に捧げるような仕草で一礼し、次いで都祢那賀に捧げるように一礼してから、その、ぽってりと整った口許に運び、三度に分けて干した。
「旨いか」
「・・はい」
 愛は微笑しつつ、きっぱりとうなずいて応えている。
阿呆な話で、これが夫婦契りの言ノ葉であった、という。
 楓(かえで)は血相を変えたが、覇津華雅(はつかが)がすかさず
「重畳、重畳っ」
 と大音声を発して抑えた。
戦場錆びているだけに、割れるほどの大声であり、楓などは思わず両手で耳を塞いだ。

「おうっ、めでたいっ」
 と、上機嫌で叫び返したのはガネーシャであった。
「確かに見届けたっ」
 とも云った。そして、護摩火を抜け出し・・
「俺にも馳走せいっ」
 と、二人の前に、どっかり、と腰を据えたあたり、神とも思えぬ真大神様である。
「愛よ、うぬらを、どうでも連れてゆかねばならぬ場所がある」
「いずこにおわしましょうや」
 愛は、ガネーシャの盃に酒を満たしつつ訊いた。
「海の底だ」
「あぁっ、真坐阿(まざあ)様っ」
 酒が少しこぼれて、ガネーシャの膝を濡らした。
「すっ、すみませぬっ」
 愛が拭おうとしたものを、ガネーシャは
「よい」
 と微笑して止め
「夕暮れるには、まだ間がある。まずは酒だ。のう、都祢那賀よ」
「・・・はあ」
「何だ。うぬらしくもない。さては、うぬ・・」
 と都祢那賀の顔を覗き込み
「和合するが先かよ」
 などと、からかっている。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 12:41 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年05月28日

邪馬台国愛媛説のもとともなった結縁ですね?!

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愛媛国縁起

泡沫(うたかた)
       三
「やはり、まだ痛むのですか、・・・都祢那賀(つねなが)様」
「・・・楽しみなことだな」
「えっ」
「今宵がよ」
「・・・知りませぬっ」
 愛は白磁のような頬を朱に染め、楓(かえで)が走り込んだ奥へと、こちらも、ぱたぱたと駆け込んでしまったのだった。
「若様、これは、どうやら気風が違いまするなあ」
 お国(邪馬台国)とは・・。
などと覇津華雅(はつかが)が云った時・・
「爺様っ」
 都祢那賀は、思わず叫んでいる。
しかし、すぐに気を静めたらしく
「はよう、仲直りなさりませ」
 と微笑してみせた・・。

 やがて、御霊屋の護摩壇(ごまだん)の火中におわします、ガネーシャと迦楼羅(かるら)の御前にて都祢那賀と愛の祝言が、これは恭しくも粛々と執り行われた。
 祭壇に供えた純白の素焼皿を、まず愛が手にとって都祢那賀に持たせ、それにしずしずと御神酒を注ぐのである。
 都祢那賀は胸を張り、ただし胡座をかいて座している。
これはどうであろう、祝言の席、しかも真大神の御前にて、いかにも行儀が悪い。
 二人の後見にある楓は
「はぁ」
 と小さく溜息などついて覇津華雅を横目で、ちらり、と見やり、覇津華雅とても、いささかばかりは気がとがめたらしい・・。
が、ここは知らぬ顔で黙殺した。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 10:54 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用

2009年05月27日

古代石鎚山にも春爛漫ってところかな・・。

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愛媛国縁起

泡沫(うたかた)
       二
「爺様、云い過ぎたな。はよう後を追うて、頭を下げて謝りなされ」
 いつの間にやら、いがみ合う覇津華雅(はつかが)と楓(かえで)の後ろに、都祢那賀(つねなが)と愛が立っていた。
「まあ、都祢那賀様の御翁(おじい)様にあらせられますか」
「まあな。幼少よりの傅人(めのと)殿よ。名を覇津華雅と申す、まことの頑固爺様だ」
「まあ」
「わっ、若様・・、初のお目通りに頑固とは手ひどい」
 すぐに覇津華雅は愛の前に片膝をつき・・
「初にお目にかかりまする。此度は、都祢那賀様との御祝言(ごしゅうげん)、傅人として恐悦至極に存じ上げ奉りまする。まずはめでたき御席なれば姫様と貴邦に対する詫事(わびこと)の数々、後ほど如何様(いかよう)な責めをも、この老体一身にて受ける覚悟にございますれば、何卒、何卒、今は堪えて下さりませよ」
 と、礼を尽くして言上した。
「そのようなお気遣い、もはや無用です。されど・・」
「はあ」
「やはり、楓には謝った方がよいかと思いまする」
「いっ、いやそのっ」
「爺様、観念なされませ。何なら爺様手ずから、楓殿をお慰みして差し上げなされ」
「わっ、若様っ、そっ、そのようなはしたなき事をっ」
 さすがに愛は無言・・、その顔を伏せて身をかたくしている。
「何が、はしたないものか。のう、愛」
「きっ・・聞こえませぬ」
「これはしたりっ、ますます気に入ったわっ」
 都祢那賀は哄笑し、しかし、すぐに声を抑えて、わずかに眉をひそめた。

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posted by 歴史小説家 菅靖匡 at 09:21 | Comment(0) | 連載長編小説 当ブログ用